遮熱鋼板ラップ工法(スレート)


スレート用遮熱鋼板ラップ工法とは

基本的な考え方は金属屋根に対応する遮熱鋼板ラップ工法と同じですが、対象物件がスレート屋根や壁となります。
スレートの建物は、セメントにアスベスト等の補強材を入れ波型に成形した外装材で、屋根や外壁に使用されています。波型スレートには、小波と大波の2種類があり、小波は外壁に、大波は屋根と外壁の両方に使用されています。
 これらのスレートは、人体に有害なアスベストを含有していて、改修工事には労働安全法、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等法的規制等
様々な法規制があり費用が非常に高いと言う問題があります。従って、雨漏りや破損が発生しても修理も出来ずそのままにしてある建物が多く有ります。
一部では、スレートの上に金属の屋根材で新規の屋根を作るカバー工法が採用されていますが、あくまでもスレートを守る為の物で省エネルギー効果は非常に低いと言えます。
本工法では、これらの問題を解決し、金属製の建物と同等の省エネルギー効果を発揮、又熱中症対策に大いに貢献できる工法です。

アスベスト含有スレートの危険性

石綿(アスベスト)は、天然に産する
 繊維状珪酸塩鉱物で”いしわた“‟せきめん
”と呼ばれております。アスベストは丈夫で
変化しにくい為、吸い込んで肺の中に入れる
と組織に刺さり、15~40年の潜伏期間を
経て、肺がん、悪性中皮腫等の病気を引き起
こす恐れがあります。目に見えないくらい細い繊維の為、気が付かないうちに吸い込んでしまう可能性が有ります。工場や倉庫に使用されている大波スレートや小波スレートの内、2004年以前に製造されたものはこのアスベストが含まれております。しかし、波板スレートに使用されているアスベストはレベル3のもので、危険性が指摘されているものの中でも一番安全度が高いとされています。



属カバー工法は、日蔭効果どころか室内環境悪化が懸念

スレート屋根が雨漏りしたり割れたり、或いはアスベスト飛散防止等の問題で金属製のカバー工法が一般的に施工されています。
中には、日蔭になり省エネ効果があるから等の事で施工している場合がありますが要注意です。

新規の屋根カバーは金属ですから、室内環境に最も影響を与える輻射熱の反射は概ね10%位です。残り90%は、金属カバーに吸収され室内側に伝導熱や二次輻射熱の形態をとって伝達されます。
ここで重要なのが、既存のスレートと金属カバーとの間の空間です。狭小空間の場合、放射量は絶対温度の4乗で増加します。即ち、この空間が天井付近の熱も相まって急速に温度上昇、日蔭効果どころか室内環境を大幅に悪化させる懸念があります。

 

 

 

私共がお勧めしていますのは、
   金属カバー工法の屋根材の室内側に遮熱材を貼り、
    しかも、その室内側に空気を流す工法です。
     夏場の屋根温度を20~30℃低下させます。


  更に、形状記憶合金を使用した24時間壁内温度コントロールシステムが搭載されていますので、一日中、一年中屋根を流れる空気量を調整、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を作ります。
 しかも、全てエネルギーゼロで運転されますので、そもそもカーボンニュートラルの最たるシステムと考えています。

  

スレート用遮熱鋼板ラップ工法構造

既存の屋根や外壁である波板スレートの屋外側に、遮熱材を内張した新規金属外装材を取り付け、遮熱材の室内側に通気する工法です。遮熱材の放射側を冷却することにより低放射性能が維持され、室内への熱の侵入を阻止することができます。新規金属外装材と波板スレートの間に遮熱材を挟み込む場合は、遮熱材の放射側は勿論、反射側も通気をする事が好ましい


《棟換気》

《吸気》

遮熱鋼板ラップ工法と金属カバー工法との比較


遮熱鋼板ラップ工法と金属カバー工法との比較



  遮熱鋼板ラップ工法 金属カバー工法
投資効率 ×
外装材の耐久性 30年 30年
塗装等メンテナンス費
省エネルギー効果 ×
熱中症対策 ×
冬場の保温性 ×
重量(屋根の負荷) 5~6kg/㎡ 5~6kg/㎡
アスベスト対策
外観

スレート用遮熱鋼鈑ラップ工法温度検証

(イ)試験方法
  大波スレートの屋外側に、金属カバー工法に使用する鋼板を取り付け、遮熱材を  内張したものと未施工のものとの比較をする為、室温29℃の室内にて遠赤外線  にて加熱した。
  ヒーター側金属カバーの温度は、将来の高温度を考え最高温度を85℃まで加温  した。  


    (イ):そのまま
    (ロ):内側にTHB-FX遮熱材直貼り



 (ロ)結果


何と、スレートの室内側温度差は12.3℃にもなった。
 又、遮熱鋼板ラップ工法の、金属屋根温度と室内温度差42.8℃

 

 

  (イ)金属カバー工法 (ロ)遮熱鋼板ラップ工法
金属カバー材 ガルバリウム鋼板0.6t ガルバリウム鋼板0.6t
断熱材等 遮熱材(THB-FX )
通気の有無 密封 通気
①熱源側温度 85.0 82.9
②中央部温度 78.4 52.2
③室内側温度 52.4 40.1

 

スレート用遮熱鋼板ラップ工法実施例

≪製缶工場≫
   

毎年屋根に散水し冷却しないと暑くて仕方なかった工場、屋根はカビや埃で赤茶け

てみすぼらしい工場でした。 遮熱鋼板ラップ工法で、屋根は鉄骨造の様に様変わ

りだけじゃなく、室内の環境も大きく改善されました。

 











≪金属加工工場≫

 

大きな屋根が2段、そのうち棟の部分を金属カバー工法で施工しました。施工店に

は、日蔭になるから涼しくなると言われたが全く暑さ対策にはならなかった。今回

は、施工しているそばから涼しさを感じたようです。

気温僅か22℃でも、屋根の室内側温度は20℃も低下~びっくりと施主様も大満

足、次年度も次をやると明言していました。

 


施工前   施工後
20℃の
温度差

スレート用遮熱鋼板ラップ工法のメリット

 

 ①スレート建物が、新設工場と同様な省エネルギーが実現
 ②室内環境が全く変わり、生産性向上が見込める
 ③熱中症対策に効果的
 ④アスベストの飛散防止が解消
 ⑤雨漏れ等の防止が実現
 ⑥塗装等のメンテナンス費がなくなる。