断熱か遮熱か?
建物の省エネを実現するには、断熱材か遮熱材が良いのかよく聞かれます。
省エネを実現するには、建物を出入りする熱移動を止めれば良い訳です。
従って、熱移動の阻止しようとするのは断熱材も遮熱材も目的は同じです。
しかし、重要なポイントがあります。
以下の表は、全米の多くの機関で報告されている建物を出入りする熱の割合を、伝導熱、対流熱、輻射熱に分けグラフにしたもので、下向き(屋根や天井からの熱)、上向き(床からの熱)、横向き(壁方向の熱)です。
このグラフを見ると、何れも輻射熱(赤棒)の量が最も多く、全熱量の75%が輻射熱であることが解ります。
即ち、建物の省エネを実現するには、熱の出入りの多い輻射熱を阻止する事が重要です。
更に、輻射熱を阻止するには、反射率の高い遮熱材が有効であることが知られています。
従って、建物には遮熱材が有効と考えられます。
ただ、熱はエネルギーですから、各部の構造によって伝導熱になったり輻射熱になったり、或いは対流熱になったり伝達の方法が変わります。
つまり、輻射熱が多く発生する構造で有れば有るほど、遮熱材の断熱性能は高くなると言えます。
①建物を通過する熱移動の75パーセントは輻射熱
建物を出入りする熱の割合
②輻射熱をカットするには遮熱材が有効
一般的な遮熱材の反射率は、95~98%、放射率5~2%で、輻射熱をカットするには遮熱材が有効です。
投稿日 2017年10月18日